こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
不動産投資のプロは、新たな物件が出た時に、何を見て購入物件を決めているのかご存じですか?
特にこれから始める人は、物件資料の見方すら分からず困っている方もいるかと思います。
そこで当ブログ記事では、物件資料で確認すべき事項と、仲介会社にヒアリングすべき事項をまとめました。
私は物件を購入する時、区分マンションの場合は、物件を見ずにたったの15分くらいで申し込みを入れます。
これ自体はおすすめできるやり方ではありませんが、そのくらいのスピード感を持って対応しないと良い物件は買えないのです。
このような申し込みの入れ方をする場合、物件資料とヒアリングのみで判断をする訳ですから、確認すべき事項を必ず抑えておかなければなりません。
私が購入判断の際に確認している事項を解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
こんな方に読んでほしい
- 物件資料の見方を知りたい
- 物件購入判断のチェック項目を知りたい
- 仲介会社に確認すべきポイントを知りたい
コンテンツ
物件資料の確認事項
物件資料の確認事項は主に下記7つです。
ポイント
- エリア
- 広さ・間取り
- 築年数
- 土地の特徴
- 空家か賃貸中か
- 利回り(収支)
- レントロール(アパートの場合)
それぞれ解説します。
エリア
不動産投資において、エリアは最重要事項です。
絶対条件は、賃貸付けに困らないエリアかどうかです。
アパートの場合は駅から10分以内がおすすめですが、大都市や大きな駅の周辺であれば15分までは許容範囲です。
戸建てやファミリー区分マンションの場合は、住環境重視や車移動の人が多いため、駅近にこだわる必要はありません。
起伏の激しいエリアは、賃貸付けが難しくなるため避けた方がいいでしょう。
物件や周辺環境、駅までの徒歩分数はグーグルマップで確認します。
特に駅までの徒歩分数は、物件資料では短めに表記されていることが多いので、必ず自分でも確認しましょう(80m1分計算)。
エリアに対する考え方など物件の見分け方については、下のブログ記事をご覧ください。
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広さ・間取り
アパートで1戸20㎡以下の物件や風呂トイレが一緒の物件は、賃貸付けが難しくなるため避けるようにしています。
戸建てやファミリー区分マンションの場合は、50㎡以上で2LDK以上のものを選ぶようにしています。
税制上有利になる点や、転売の時に高値で売るためです。
住みにくそうな間取りの物件で、間取り変更が難しそうな物件も避けた方がいいでしょう。
築年数
基本的には1981年(昭和56年)以降に作られた、新耐震基準の物件を選ぶようにしています。
正確には建築確認済証の交付日が、1981年5月31日以降の建物を選ぶことです。
これは税制上有利になることと、地震が起きた時に被害を最小限に抑えるためです。
実際に、阪神淡路大震災や東日本大震災でも、新耐震基準で建てられたマンションの倒壊は1棟もありませんでした。
また、築浅物件ほど価格が高く利回りは低く、築古物件ほど価格が安く利回りは高くなります。
より築浅物件の方が人気があり、古い物件になるほど入居付けが難しくなります。
それでも築年数と家賃のバランスを見て決める入居者がいるため、築年数は古くても家賃もそれ相応に安くすれば、入居者が決まらないというわけではありません。
築古物件は修繕費がかかることも考えておきましょう。
土地の特徴
土地や戸建ての場合は、土地の地型や高低差を確認しましょう。
下図のような旗竿地は資産価値が低く、高値での転売が難しいので基本的には避けるようにします。
また、周りの土地と2m以上高低差のある物件は、地震で擁壁が崩れる可能性があることや、新たに建築する際、擁壁を造成しなければならない可能性が高いため購入しません。
空家か賃貸中か
戸建てや区分で賃貸中の場合は、空家で売られているよりも安く売り出されていることが多いです。
空家の場合は、購入後リフォームする必要があることや、賃貸付けの期間や費用を見積もった上で購入するようにしましょう。
賃貸中の物件であれば、購入後すぐに家賃が入ってくるため、私は賃貸中の物件を購入することをおすすめしています。
利回り(収支)
利回りは当然高い方が良いです。
物件資料の利回りは、ほとんどの場合「表面利回り」と言われるものですが、大事なのは「実質利回り」の方で、さらに重要かつ購入判断で利用するのはキャッシュフロー利回り(ROI)です。
表面利回りと実質利回りとROI
表面利回り=年間家賃収入 ÷ 物件の購入価格
実質利回り=(年間家賃収入-年間経費) ÷ (物件の購入価格+購入時諸経費)
ROI(%)=年間CF(年間家賃収入-年間経費-年間返済額) ÷(不動産価格 + 購入時の諸経費)×100
上記の「年間経費」と「購入時諸経費」の項目を間違えている人が多いので、ここで詳しく解説します。
まず年間経費として考える項目は、基本的には以下の通りです。
【戸建】
・固定資産税
・管理費(管理会社に任せている場合)
・火災保険
【マンション】
・管理費・修繕積立金
・固定資産税
・管理委託費(管理会社に任せている場合)
・火災保険
【アパート】
・固定資産税
・管理委託費(管理会社に任せている場合)
・清掃費
・インターネット代
・共用部分水道光熱費
・火災保険
そして購入時諸経費は以下の通りです。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 不動産取得税
- 銀行融資手数料
- 印紙代
ここまで入れて計算すべきです。
月単位でのキャッシュフローを計算する場合の「固定資産税」「火災保険」に関しては、12で割って月額を算出します。
そして、今後の家賃下落や入退去時の期間や費用も考えて判断します。
物件種別や築年数、物件価格によって判断基準が変わるので、一概にこの利回りだったらとお伝えするのは難しいですが、私はROIで3%以上を目安にしています。
購入判断で利用している指標については、下のブログ記事をご覧ください。
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レントロール(アパートの場合)
アパートの場合はレントロールを確認します。
レントロールとは、以下のような賃貸明細書のことです。
ここでのポイントは2点あります。
まず、現在空室のところがいくらで募集をかけているかを確認します。
その金額が他の金額より極端に安い場合、今後他の部屋でも退去が発生すると、月々の収入が減りますので、全部屋募集中の金額以下でキャッシュフローなどの収支を計算すべきです。
逆に募集賃料が高い場合は、見た目の想定利回りを高くするために、仲介会社が悪意を持って相場より高くしている可能性がありますので注意してください。
もう一つは、入居年月日です。
入居年月日が直近のものが多い物件は、入退去が頻繁に行われる物件だと予想できます。
入退去が激しい物件は、それに伴う費用や手間がかかり収益性が悪くなるため、購入しないようにします。
ヒアリング事項
仲介会社へのヒアリング事項は主に下記9つです。
ポイント
- 売却理由
- いつから売り出しているか
- 滞納履歴があるか(保証会社が付いているか)
- 賃貸借契約書があるか
- 修繕履歴
- 事件・事故・トラブル
- 管理委託会社の変更可否
- マンションの場合
- アパートの場合
それぞれ解説します。
売却理由
物件資料を確認し、グーグルマップで場所を確認し、キャッシュフローの計算が終わった時点で購入したい物件だった場合、次に仲介会社の担当者へ必要事項を質問します。
まずは、売主の売却理由からです。
売却理由を聞くことによって、売主が売り急いでいるか、金額交渉ができそうか、物件に問題がないかを確認できます。
上手な金額交渉の方法については、下のブログ記事をご覧ください。
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いつから売り出しているか
新着物件ではない場合、いつから売りに出しているかによって、金額交渉ができるか判断できます。
売り出し期間が長ければ金額交渉はしやすいですが、長すぎる場合は、売らなくてもいい売主で、金額交渉に一切応じていないから残っている可能性があります。
新着物件で人気物件の場合は、金額交渉をしていたら、他の人に取られてしまいます。
人気物件を他の人に取られることなく購入する方法は、下のブログ記事をご覧ください。
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滞納履歴があるか(保証会社が付いているか)
賃借人に滞納履歴があるか確認します。
滞納があるような物件を買ってしまうと、後々大変な思いをすることになります。
滞納が続いても強制退去させることは難しく、裁判をするにしても費用と時間、手間がかかるので避けた方がよいでしょう。
保証会社が付いていれば問題ないのですが、保証会社によって保証内容は異なりますので確認するようにしてください。
賃貸借契約書があるか
賃貸借契約書があるか確認します。
ない場合は、仲介会社の方で新規取得をお願いします。
ある場合は、契約内容を確認します。
賃貸借契約書の確認事項
- 契約期間(普通借家か定期借家か)
- 家賃や共益費
- 入居者の属性や人数
- 契約特約
- 家賃支払い時期
- 敷金の有無※敷金は退去時に返さないといけない場合と、「敷引き」といって返さなくていい場合があります。
賃貸借契約書にこういった項目の記載がない場合、仲介会社にできるだけ覚書を取得してもらうようにします。
特に家賃の支払い時期が記載されていない契約書をよく見かけるので注意してください。
これは売買決済の際に、家賃の清算にも関わってくる事項です。
修繕履歴
修繕履歴があるか確認します。
築古でまったく修繕していない場合、購入後に修繕費用が発生する可能性があることを頭に入れておきましょう。
区分マンションの場合は、「専有部分」と「建物全体の共有部分」どちらも確認します。
共有部分の大規模修繕がまったく行われていないのに、管理組合の修繕積立金が貯まっていなかったら、修繕する際に管理組合で借り入れをする必要があり、その分毎月の修繕積立金も値上がりすることになります。
事件・事故・トラブル
事件・事故・トラブルがないか確認します。
特にアパートやマンションの場合、騒音問題でトラブルになっていることがよくあります。
過去に事件や自殺などが起きている物件は、よほど安くない限り購入は見送りましょう。
その他買ってはいけない物件に関しては、下のブログ記事をご覧ください。
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事件事故などについては、大島てるというサイトでも確認することができます。
管理委託会社の変更可否
オーナーチェンジ物件で仲介を管理会社がやっている場合、管理会社を引き継がないといけない場合がほとんどです。
これを「管理継続条件」と言います。
管理委託費は基本的に家賃の5%と高いため、私はできるだけ自主管理するようにしています。
管理会社変更が可能か確認し、変更ができない場合は、将来解除のために何年契約か確認するようにしましょう。
管理方法については、下のブログ記事をご覧ください。
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マンションの場合
区分マンションの場合は、管理費や修繕積立金の値上がり予定があるか、管理組合で借り入れをしていないか確認します。
管理状況が悪いマンションや管理費・積立金が異常に高い物件、管理組合が借り入れをしている場合は注意してください。
中には同じ理事長が長く理事長を務め、その権力を利用して横領していることもありますので、管理組合の財務状況はしっかり確認するようにしてください。
アパートの場合
アパートの場合は、ランニングコスト項目がたくさんあるため、どんなコストが発生するかヒアリングするようにします。
一般的な項目は以下の通りです。
アパートのランニングコスト
- 固定資産税
- 管理委託費・清掃費
- インターネット代(あれば)
- 水道光熱費
- 火災保険
- 貯水槽管理費(あれば)
これらすべて税込みでの計算を忘れないようにしてください。
おわりに
いかがでしたか?
いつも確認できていない事項もたくさんあったかと思います。
不動産投資は収益性に目が行きがちですが、他の必要事項もしっかりと確認することが重要です。
それをやっておかないと、購入後に大変な思いをすることになりかねません。
そしてここまで細かく試算や確認をすると、買える物件は本当に少なくなります。
しかし焦って購入してはいけません。
毎日物件をチェックして、仲介会社へもこまめに連絡を取ってお願いしておけば、必ず良い物件は見つかるはずです。
不動産投資は実は地道で地味な作業の繰り返しですが、購入できた時の喜びはその分大きくなります。
焦らずに失敗しない物件探しを継続していきましょう!
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困っている人不動産業者ではない先輩大家さんで、不動産投資の相談にのってくれる人いないかなぁ 私は元大手不動産売買仲介会社のトップ営業マンで、現在専業大家として不動産投資の相談サービスを提供しています。 ...
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