こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
SNSなどで「億越え物件買いました!」や「家賃年収1億達成!」などと派手なポストを見るたびに、自分も早くそうなりたいと羨ましがる人も多いかと思います。
不動産投資家界隈では、家賃年収や戸数の多い人が偉い人だと崇拝されるような風潮がありますよね。
先輩大家の中には、規模マウントを取ってくる人もいます。
でも洗練された不動産投資家は、家賃年収や戸数にはこだわりません。
というよりその情報だけでは実態が分からないので、無意味であることを知っているわけです。
そして残念ながら、これらのことに気付いていない人がとても多いように感じます。
そこで今回は、不動産投資家は家賃年収や戸数より事業の中身を重視すべき理由について解説します。
洗練された投資家になるために必要な考え方ですので、ぜひ最後までご覧ください。
こんな方におすすめ
- 不動産投資では事業規模が重要だと思っている
- 不動産投資の本質が知りたい
- SNSの表面上の情報に踊らされたくない
コンテンツ
不動産投資家は家賃年収や戸数より事業の中身を重視すべき理由
突然ですが問題です。
どちらの投資家の方が良いでしょうか?もしくはなりたいですか?
①投資総額1億はフルローン購入で現預金はゼロ
②投資総額5,000万は現金購入で現預金はゼロ
属性などその他条件はすべて同じだとしたら、大家としての規模は①の方が大きいですが、②の方が優秀ですよね。
なぜなら物件価値が投資額と同等とした場合、①は不動産の純資産としては0、②は5,000万になるわけですからね。
これは誰にでも分かると思います。
では次の問題はどうでしょうか?
①投資総額3億(残債2億8,000万)、平均残債年数20年、家賃年収3,000万、年間CF1,000万
②投資総額2億(残債1億8,000万)、平均残債年数25年、家賃年収2,000万、年間CF800万
③投資総額2億(残債1億8,000万)、平均残債年数15年、家賃年収2,000万、年間CF700万
④投資総額1億(残債8,000万)、平均残債年数20年、家賃年収1,000万、年間CF500万
※保有物件はすべて木造で、築年数も同じと仮定します。
①や②を選んだ人もいるかと思いますが、私だったら④の人になりたいです。
実は優秀な投資家は④⇒③⇒②⇒①の順です。
なぜなら④が最も投資効率が良く(年間CF500万÷残債8,000万=約6.2%)、①が最も悪い(年間CF1,000万÷残債2億8,000万=約3.5%)からです。
②と③の違いは、見た目のキャッシュフロー利回りは②の方が良いものの、平均残債年数が③より10年も長い割には利回りが低く、リスクがより高い投資をしていることになります。
このように、実は事業の中身を見ないと本当の実力は分かりません。
投資総額10億で家賃年収7,000万!といっても、残債もほぼ10億でキャッシュフローが2,000万だったら、不動産市況の悪化や金利上昇などで破綻しかねません。
規模や大きな数字に惑わされないようにしてくださいね!
リスクとリターンがマッチしていない投資家が多い
不動産投資に限らず投資は本来、リスクとリターンが最も優れているものに投資すべきです。
例えば大きく分けて、不動産投資、株式投資、債券投資、コモディティ投資があります。
この中でも不動産投資は、市況の高騰によりリターンよりもリスクの方がはるかに大きい投資をしている人が多いように感じます。
例えば都心では、利回り6%前後で売買されることも多いと思いますが、現金で購入するとしても実質利回りは5%以下になります。
しかし不動産投資で利回り5%以下では、ハッキリ言ってリスクに見合っているリターンとは言えません。
高配当株でも5%はゴロゴロありますし、全世界株式ファンドやS&P500に連動する投資信託で長期にわたり運用すれば、今までの実績で利回り8%以上が期待できますからね。
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世界経済や会社は基本的に成長するものなので、株はキャピタルゲインも期待できますが、日本の不動産市場は今後人口減少や金利上昇により衰退していくものです。
あ、不動産投資でキャピタルゲインに期待するのは愚の骨頂ですよ。
市況はコントロールできませんので、キャピタルへの期待はただのギャンブルですし、ましてや今は不動産バブルですからね・・
しかも不動産投資は株に比べて手間もかかります。
つまり不動産投資は、現金で購入する際の実質利回りであれば、利回り8%以上はないとリターンとして見合っていないということになります。
ただ不動産投資の強みは、融資によりレバレッジをかけれることにあります。
融資を利用した場合は、正しい融資期間による借入(下の記事参照)で、キャッシュフロー利回り2%以上は必要でしょう。
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しかし現在は、キャッシュフロー利回りが2%もない物件を購入している人がほとんどですよね。
不動産投資家は借金の感覚がマヒしてくる
不動産投資は慣れてくると借金に対する感覚がマヒしてきます。
最初は恐怖心があったのに、今では借りれるだけどんどん借金したいと考えている人がほとんどだと思います。
それは借金によるリスクよりも、借金によるリターンに意識が傾いてしまうからです。
しかし今一度、冷静になって借金のリスクを認識すべきです。
大地震が起こって保有物件が全部ダメになり、借金だけが残ったらどうしますか?
不動産市況が大暴落し、すべての物件で大きな含み損を抱えたらどうしますか?
金利が大きく上昇し、金利負担が収益を上回ったらどうしますか?
大成功をおさめる人は、必ずどこかで大きなリスクを取っています。
しかしよく考えてください。
あなたにとって大成功は本当に必要ですか?
年間CFが1,000万円から5,000万円になったところで、幸福度は大して変わりません。
でも年間CFがマイナスになり含み損も抱える状態になったら、絶望の淵に立たされることになります。
リターンに見合わないリスクを取りながら大成功を目指すのか、リスクに見合ったリターンで着実に幸せを築いていくのか、どちらが良いのかよく考えてみてくださいね!
金融機関が融資しているのだから大丈夫は間違い
メガ大家の投資総額(融資総額)が大きいのは、金融機関がそれだけ融資のGOサインを出しているということであり、すごいことだ!という人がいます。
確かに融資額を伸ばせるのはすごいことだとは思いますが、融資してもらえる物件は金融機関からのお墨付きがあるから安心安全というのは間違いです。
ある程度不動産投資をしている人なら分かると思いますが、金融機関の不動産に対する評価は、実際の不動産価値とは異なることが少なくありません。
例えば耐用年数を超えている物件はゼロとして見る銀行がありますが、そんなはずないですからね^^;
逆に信用金庫や信用組合の中には、耐用年数が超えている物件に対して20年以上の融資をするケースもあります。
このように金融機関の不動産に対する評価には、歪みがあることは知っておきましょう。
SNSに踊らされるな!人と比べても意味がない
私はXをよく利用していますが、資産数億円!家賃年収数億円!など派手な人やポストが多いですよね。
でもそれと比べて焦ったり羨ましがっても意味がありません。
だって生まれ育った環境も現在の属性も、何もかも違うわけですから。
既に不動産投資で成功している人のほとんどは、実家が金持ちか、別の本業で成功しているか、とても良いタイミングで投資を始めて上手くいったかのどれかです。
ということは、実家は変えれないしタイミングも変えれないわけですから、不動産投資で成功したければ、まずは本業を頑張って稼ぐのが実は最も手っ取り早い方法かもしれませんね。
SNSに投稿している人の多くは既にある程度の成功者ですが、その裏にはたくさんの失敗者がいることも忘れてはいけません。
SNSに踊らされることなく、人と比べることなく、自分のあるべき姿に向かって自分のペースで進んでいきましょう!
おわりに
いかがでしたか?
SNSをしていて、ふと感じたことを書いてみました。
でも不動産投資をするなら、とても重要かつ知っておいてほしい内容です。
家賃年収や戸数などの規模に憧れる気持ちは分かりますが、不動産投資の本質を忘れないよう、リスクとリターンにもっとシビアに進めていってくださいね!
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