こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
大家にとって退去連絡は本当に辛いですよね。
戸建てや区分マンションで退去が発生した後、売るにしても再度貸すにしても、進め方を間違えると大きな損失に繋がってしまいます。
そこで当ブログでは、私が退去後の売却に成功した事例を使って、退去後の正しい考え方と行動について解説していきます。
ただし今回は、戸建てや区分マンションなどの、退去後に実需物件として売却可能な物件を想定しておりますので、アパートは該当しないことをご了承ください。
実需物件とは
自分が住むために買う物件のこと。
元不動産売買仲介営業マンならではの視点から細かいところまで、成功に繋がるポイントを解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
こんな方におすすめ
- 退去後の正しい運営手順を知りたい
- いつも退去後に賃貸と売却の選択で迷う
- 退去後の売却成功事例に興味がある
コンテンツ
退去連絡後の考え方と段取り
今回退去連絡があった物件は、ファミリータイプ区分マンション5階建ての5階部分、エレベーターなしの物件でした。
物件自体も古いのですが、入居は20年前からなので室内は傷んでいることが予想できました。
退去予定日は1ヵ月後です。
この時点で考えたことおよびその結論は以下の通りです。
考えたこと
- 不動産市況は売り時か買い時か → 売り時
- 売却と賃貸どちらが先に決まりそうか → どちらも微妙
- 室内は大規模なリフォームが必要か → おそらく必要
- 個人所有の場合、長期譲渡か短期譲渡か → 短期譲渡
- 賃貸の毎月のキャッシュフローはいくらか → 1万円以下
以上のことを考えた結果、短期譲渡により税率が40%ほどになってしまうため、再度賃貸で回したいものの、大きなリフォーム費用がかかることや毎月のキャッシュフローが少ないこと、なかなか賃貸入居者を決めるのが難しそうなことから、売却と賃貸の並行募集にすることを決めました。
そして以下のような段取りを考えました。
段取り
【退去前の段取り】
step
1すぐに賃貸募集をかける
step
2売却の査定と買取の査定依頼
step
3水面下で業者買取とお客様紹介依頼
【退去後の段取り】
step
4すべてのお客様の一斉内覧とリフォーム見積もり
step
5一斉内覧で決まらなかったらリフォーム実行
step
6売却と賃貸のネット掲載並行募集
以下、それぞれ解説します。
すぐに賃貸募集をかける
入居中で内覧ができないのに、なぜすぐに賃貸募集をかけたかというと、お問い合わせがどのくらいくるか(引き合い)を知りたかったからです。
注意ポイント
再度賃貸で貸し出すことが濃厚な場合は、退去予定日の一週間前ほどから募集をかけた方が良いです。なぜなら、早く募集しすぎても内覧ができないため、新着扱いになる大事な時期を無駄にしてしまう恐れがあるからです。退去予定日から一週間以内であれば、お問い合わせがあった時点で内覧の予約が取りやすいとも言えます。
結果は内覧ができないとはいえ、予想通りほとんどお問い合わせはなく、賃貸募集は厳しい状況になりそうなことが分かりました。
すぐに入居者を決めるための、賃貸募集の㊙テクニックについては、下のブログ記事をご覧ください。
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売却の査定と買取の査定依頼
退去日の2週間ほど前に、仲介会社は三井のリハウスと住友不動産販売、買取業者は5社ほどに査定を依頼しました。
また住友不動産販売には、ステップオークションの依頼もかけました。
ステップオークションとは
不動産の売却を希望するオーナーに、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した入札方式で業者買取り金額を提示するサービスです。
平均で約1,000社に一括一斉紹介するので、スピーディかつ幅広い買取業者に対して買取金額の打診を行うことができます。
注意ポイント
ステップオークションは便利ではあるものの、多くの業者がまともに情報を見ていないため、良い条件での入札はあまり期待できません。
ネット掲載せず(表に出さず)にステップオークションにかけるには、一般媒介のレインズ未登録で媒介契約を一時的に結ぶことで利用できます。
この時の買取業者の査定で、満足のいく条件はありませんでした。
水面下で業者買取とお客様紹介依頼
仲介査定の結果が出たら、査定額を参考に売却価格を決め、水面下(媒介契約を結ばない状態)での紹介を依頼しました。
水面下での紹介方法で依頼する理由は、買取業者もエンドの一般客も、水面下情報を希少情報として好む傾向があるからです。
注意ポイント
私は三井のリハウスと住友不動産販売の2社に依頼しましたが、多くの仲介会社に頼みすぎてしまうと、情報が被って希少価値が薄れてしまうので注意してください。
今回の物件は、4年前に630万円で購入した物件でしたが、買取業者には880万円、エンド一般客には980万円で紹介するようにお願いし、内心では800万までであれば売却しようと考えていました。
金額に差を付けたのは、買取業者の場合980万円では難しいと思ったからです。
この段階では、三井のリハウスからの紹介で興味を持った買取業者が2社ほど見つかり、退去後に室内を見て買い付けを出すとのことでした。
すべてのお客様の一斉内覧とリフォーム見積もり
退去日当日。
事前に退去立ち合いに合わせてリフォーム業者を手配していたので、現地で内覧いただきリフォームの見積もりをお願いしました。
手配する時には、最低限の気遣いとして、買取業者で決まってしまった場合は、リフォームを依頼できない旨を伝えておきましょう。
賃貸仲介業者および売買仲介業者にも同じように、先に他で決まってしまったら取り下げになってしまう旨を伝えておきます。
各方面の業者に、最悪無駄な仕事になってしまう可能性がある旨を事前に伝えておくことは、最低限のマナーとして大事なことです。
退去日の翌日に一斉内覧を予定し、そのうちの買取業者2社から買付をもらったと、三井のリハウスから連絡がありました。
ポイント
一斉内覧にすることで、ライバルがたくさんいると認知させることができ、競争心を煽ることができます。
仲介の営業マンは知り合いだったこともあり、2社で金額の吊り上げをしてくれて、結果960万円で決まりました。
買取業者には880万円で紹介を依頼していたのに、結果960万円で決めてくれたわけですね。
この時点でリフォーム会社へ見積もり停止の連絡を入れましたが、もう出ているとのことだったので金額を教えてもらいました。
予想よりはるかに高かったので、買取業者で決まってホッとしました。
ここから先は、この段階で決まらなかった場合はどうしていたかを解説していきます。
一斉内覧で決まらなかったらリフォーム実行
リフォーム代が高かったとしても、そのままでは貸せない売れないという室内状況だったのでリフォームをしていました。
正しいリフォームの仕方や考え方については、下のブログ記事をご覧ください。
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リフォームをしてしまうと、買取業者が買うことはなくなります。
またリフォームしても、借り手や買い手が見つからない可能性があるわけですから、そのリスクを背負うことになります。
今回の物件は「5階建て5階のエレベータなし」「室内状況が悪い」ことから、大きなリフォーム代を払って長い期間決まらないリスクが高いと判断し、買取業者に売ることを考えました。
室内状況も良好な通常の物件であれば、エンドの一般客に売った方が高く売れる可能性が高いので、買取業者には売らないことが多いです。
売却と賃貸のネット掲載並行募集
リフォーム期間中は内覧はできませんが、リフォーム済物件として売買・賃貸ともネットに掲載します。
ここから先は、基本的に仲介会社に客付けをお願いして、興味を持ってくれる買主をひたすら待つしかなくなります。
今回の物件はその期間が長くなりそうだったので、欲を出しすぎないよう買取業者で決めたわけです。
買取業者とはいえ、査定や成約事例をみてもかなり良い条件で売ることができました。
おわりに
いかがでしたか?
物件によって退去後の正しい考え方や行動は変わります。
今回は特殊で難しい物件だったために、これまで解説したような行動をとり、結果として買取業者に売却しました。
退去後の行動を間違えると、大きな利益を取り逃してしまうことに繋がりますので、退去が発生した時にはこの記事を参考に、よく考えて段取りを組み行動するようにしてくださいね!
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