こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。
不動産投資は、多くの投資家にとって魅力的な選択肢の一つです。
しかし、不動産投資を行う際には、投資の魅力を測る指標として「利回り」を理解する必要があります。
利回りは、投資した資金がどれだけの利益を生み出すかを示す指標であり、投資効率を知ることができます。
そこで今回は、超初心者の方向けに、利回りの種類や計算方法、理想の利回りを解説します。
こんな方におすすめ
- 不動産投資で使われる利回りが知りたい
- 不動産投資の利回り計算方法を知りたい
- 不動産投資の理想の利回りが知りたい
不動産投資の利回りとは?
不動産投資の利回りとは、投資した資金に対する収益の割合を示すものであり、投資の収益性を評価する上で重要な指標です。
より高い利回りの物件を買うことで、より効率的な資金の運用が実現できます。
一方で利回りが低い投資は、資金効率が悪いことはもちろん、リスクに対しても不十分であると言えます。
不動産投資で使われる利回りの種類と計算方法
不動産投資で主に使われる利回りには、以下のようなものがあります。
- 表面利回り → 年間の家賃収入が不動産価格の何割であるかを示す指標
- 実質利回り → 年間の純粋な利益が不動産価格の何割であるかを示す指標
- ROI → 投資額に対してどれだけ利益を生み出しているかを示す指標
- CCR(ROE) → 自己資本に対してどれだけ利益を生み出しているかを示す指標
それぞれ解説します。
表面利回り(単純利回り)の計算方法
表面利回りとは、物件の年間家賃を物件の購入価格で割ったものです。
最も簡単に投資の収益性を評価できる利回りとして広く利用されています。
表面利回りの計算方法
表面利回り(%)=年間の家賃収入÷不動産価格×100
実質利回り
実質利回りとは、表面利回りでは補えきれていない「購入時の諸費用」や「ランニングコスト」を鑑みて計算されたものです。
そのため、実際の収益性を評価できる指標として、こちらも広く利用されています。
現金で購入した際のキャッシュフロー利回りでもあります。
実質利回りの計算方法
実質利回り(%)=(年間の家賃収入-年間の経費)÷(不動産価格+不動産購入時の諸経費)×100
【例:物件価格5,000万円、諸費用400万円、年間家賃500万円、年間経費100万円の場合】
実質利回り=(500万-100万)÷(5,000万+400万)=7.4%
ROI(キャッシュフロー利回り)
ROIとは「Return On Investment」の略で、日本語では「投資収益率」と呼ばれます。
実質利回りに、融資の返済分を加味した利回りなので、キャッシュフローベースでの回収期間を知ることができます。
そのためキャッシュフロー利回りとも呼ばれます。
ROIの計算方法
ROI(%)=年間CF(年間の家賃収入-年間の経費-年間の返済額)÷(不動産価格+購入時の諸経費)×100
【例:物件価格5,000万円、諸費用400万円、年間家賃500万円、年間経費100万円、年間返済額300万円の場合】
ROI=(500万-100万-300万)÷(5,000万+400万)=1.8%
CCR(ROE)
CCRとは「Cash on Cash Return」の略で、日本語では「自己資金収益率」と呼ばれます。
不動産投資で投じた自己資金に対し、年間で得られる利益の割合を知ることができます。
ROI計算方法の(不動産価格 + 購入時の諸経費)の部分を自己資金に変えるだけですが、不動産価格は一切問わず、自己資金に対する収益性だけを見る指標ですので、強烈にレバレッジを意識した指標と言えます。
CCRの計算方法
CCR(%)=年間CF(年間の家賃収入-年間の経費-年間の返済額)÷自己資金×100
【例:年間CF100万円で自己資金200万円の場合】
CCR=100万÷200万=50%
不動産投資におけるレバレッジについては、下のブログ記事をご覧ください。
不動産投資はレバレッジを意識し効率指標ROIとCCRを活用せよ!
困っている人不動産投資の事業を早く拡大したいんだけど・・ こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。 先日こんなツイートをしました。 不動産投資を早く拡大したいなら、レバレッ ...
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私が利用している利回り指標はROIとCCRのみ
私が使用している利回り指標は、ROIとCCRのみです。
なぜなら表面利回りはコストが入っていないため、実際とはかけ離れた利回りですし、実質利回りは融資を含めて考えられていないからです。
そのため私は、投資全体に対する収益率を確認したい場合はROI、自己資金に対する収益率を確認したい場合はCCRを使っています。
ROIとCCRに関しての詳細は、下のブログ記事をご覧ください。
不動産投資の重要指標2選ROIとCCR|表面・実質利回りは不要?
困っている人不動産投資で購入判断の重要な指標はなに? こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。 不動産投資で物件を検討するにあたり、ほとんどの方が「利回り」という指標を参考 ...
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具体的な利回り計算方法シミュレーション
以下の具体的な事例で、利回りの計算方法をシミュレーションしていきます。
物件価格:3,000万円
諸費用:180万円
年間家賃:360万円
年間経費:50万円
融資:物件価格の90%、金利2%、期間15年
返済額:約17万/月、約204万/年
表面利回りの計算シミュレーション
年間の家賃収入360万÷不動産価格3,000万×100=表面利回り12%
実質利回りの計算シミュレーション
(年間の家賃収入360万-年間の経費50万)÷(不動産価格3,000万+不動産購入時の諸経費180万)×100=実質利回り約9.7%
ROIの計算シミュレーション
年間キャッシュフロー(年間の家賃収入360万-年間の経費50万-年間の返済額204万)÷(不動産価格3,000万+購入時の諸経費180万)×100=ROI約3.3%
CCRの計算シミュレーション
年間キャッシュフロー(年間の家賃収入360万-年間の経費50万-年間の返済額204万)÷自己資金(物件価格の自己資金300万+購入時の諸経費180万)×100=CCR約22%
不動産投資における理想の利回りとは
不動産投資における理想の利回りは、一概に何%以上とは言えません。
以下のような条件によって、理想の利回りは異なるからです。
理想の利回りは異なる理由
- エリア
- 築年数
- 物件種別
- 積算評価
- 属性
それぞれ解説します。
エリア
例えば首都圏と地方の田舎では、理想の利回りはまったく異なります。
地方の方がインカムゲインもキャピタルゲインもリスクが高いからです。
築年数
例えば新築と築古では、理想の利回りは大きく異なります。
新築の方が修理や空室率のリスクが低く、融資も長期間で組みやすいからです。
物件種別
例えば一棟マンションとアパートでは、理想の利回りは大きく異なります。
一棟マンションの方が耐久性が高く、長期間の融資が可能だからです。
積算評価
例えば相場より安い物件、つまり大きなキャピタルゲインが期待できる物件では、利回りは低くても許容できる場合があります。
売却の選択肢があるため、出口戦略が強いからです。
属性
例えばサラリーマンで本業収入がある人と、専業大家では理想の利回りは異なります。
本業収入がある人は、大きなキャッシュフローがなくても問題ないからです。
物件種別と築年数による理想の利回り
これまで解説した通り、一概に不動産投資において理想の利回りは何%とは言えませんが、大体でいいから教えてほしいという人もいると思うので、ざっくりとした大まかな理想利回りをお伝えします。
物件タイプ | 築年数ごとの理想利回り |
---|---|
一棟マンション | 新築:6%以上、築25年程度:8%以上、築25年超:10%以上 |
アパート | 新築:8%以上、築20年程度:10%以上、築20年超:12%以上 |
戸建て | 新築:6%以上、築20年程度:8%以上、築20年超:10%以上 |
区分マンション | 新築:6%以上、築25年程度:8%以上、築25年超:10%以上 |
アパートが最も理想利回りが高い理由は、木造のため耐用年数が短く、投資用物件としてのみの売却になるため出口戦略も弱いからです。
戸建てと区分マンションが同じ理想利回りなのは、区分マンションの方が耐用年数が長いですが、管理費積立金などのコストが戸建てよりかかるからです。
最低限必要な利回りについては、下のブログ記事をご覧ください。
不動産投資の利回り最低ラインの目安とは?新築アパートの事例で検証
困っている人不動産投資で必要な最低ラインの利回りを教えて! こんにちは、専業大家のMASA(@2103ou_masuke)です。 現在売りに出されているアパートの利回りを見ていると、とてもじゃないけど ...
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おわりに
いかがでしたか?
不動産投資を行う上で、利回りを活用した収益性の確認は必須です。
今回紹介した各種利回りの中でも、ROIとCCRは必ず覚えて使うようにしてください。
他にも指標はたくさんありますが、はっきり言ってこの2つだけ覚えておけば大丈夫です。
ぜひ今後の物件購入判断に活用してくださいね!
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